日本代表のG大阪DF安田理大(20)が「守備の人」になる。J開幕の8日千葉戦(万博)に向けて4日、大阪・万博練習場で練習を再開。安田は左サイドバック(SB)での先発が濃厚になった。ただ、西野朗監督(52)は白星発進を第一に考え、リスクを冒さない戦術をとると明言。安田は日本代表でも威力を見せつけた自慢の攻撃を控え、守備重視のプレーを意識。「完封してみせる」と力強く宣言した。

 安田が泥臭いプレーに徹した。試合形式の練習では主力組の左SBに入り、攻撃参加を控えた。ゴール前で体を投げ出して失点を防ぎ、チームの雰囲気を引き締めた。「完封してみせる。守備から入って、DFラインを安定させたい」。開幕戦にかける思いをはっきり口にした。

 日本代表では攻撃力で貢献した。初陣だった東アジア選手権では主に攻撃的MFでプレーし、得意の「ミチカムクロス」やドリブル突破で日本の切り札的存在となった。だが、G大阪では守備力向上を求められた。J王座奪回を目指す今季のスタートを前に西野監督は「開幕戦はリスクを冒さない戦術をとりたい」と話した。安田に対しては「攻撃的なところをセーブさせたい」と指示を出した。

 普段からコミュニケーションをしっかりとり、コンビ成熟に努めている。五輪予選をともに戦った新加入のDF水本のよき相談役だ。強気な性格でも、人当たりのいいところも安田の大きな魅力の1つ。「水本くんはオレやったら話しやすいみたい。練習場へ行く時間とかガンバの決まり事をよく聞いてくる」と笑顔で話す。千葉FW巻へのクロスへの対応を話し合い、対策は万全だ。

 開幕戦はリーグ制覇への第1歩だ。昨季はゼロックス杯での勝利に貢献し、レギュラー獲得。U-20W杯、五輪予選、A代表と充実した1年を送ったが、リーグと天皇杯制覇を逃したことが心残り。「どこで出ても、やれる自信はある。優勝するために、1試合1試合を大切に戦いたい」と気合を入れた。安田が守備職人になり、完封発進を演出してみせる。【奈島宏樹】