神戸のFW大久保嘉人(25)が「最終テスト」に臨む。日本協会は14日、W杯アジア3次予選バーレーン戦(26日、マナマ)の日本代表21人を発表、2月12日に右ひざを手術した大久保は選出漏れした。しかし、復帰戦となる15日のリーグ川崎F戦(ホムスタ)のパフォーマンス次第で、追加招集される可能性もある。日本期待のエース候補が結果を残し、滑り込みのメンバー入りを目指す。

 3次予選の大一番となるバーレーン戦のメンバーに、大久保の名前はなかった。だが、まだチャンスは残されている。岡田監督は発表前に「(追加招集は)あり得る」と説明。当初は23人前後の招集が予想されたが、21人だけ。右ひざ手術から復帰する15日の川崎F戦で大久保の状況を確認し、あらためて招集する可能性を示唆した。

 大久保にとっては最終テストだ。この日の非公開調整後には「(右ひざは)もう大丈夫。まあ、あとはやるだけやね」と気持ちを引き締めた。2月6日タイ戦後は試合から遠ざかっているが、実戦感覚は戻りつつある。神戸の松田監督も「(攻撃の)アクセントになっている。1人で持って行く力、視野、展開力がある。心配はしていない」とエースの復調を喜んだ。

 あとは右ひざの症状次第だ。「まだ悪化するかもしれないしね。あとは慣れるしかない」と大久保。現在も入念に患部のアイシングを続けており、この日もクラブハウスから出てきたのは練習終了から1時間以上がたち、主力選手のほとんどが帰宅してからだった。岡田監督はこれまで「試合後に腫れが出るかもしれない」と心配しており、川崎F戦後に再チェックを受けることになりそうだ。

 大久保のほかにも、グレトナの経営悪化で23日のリーグ戦が消滅する可能性のあるセルティックMF中村俊も追加招集の可能性がある。川淵キャプテンは「(消滅が)決まれば変わるかも」と含みを持たせた。2人が加われば、得点力不足に悩む日本にとっては大きな武器になる。エース候補は「(欧州組との連係は)今までもやってるし問題ない」ときっぱり。まずは復帰戦で全力を尽くし、バーレーン行きをつかみ取る。【益子浩一】