<ナビスコ杯:磐田2-0東京V>◇B組◇第1節◇20日◇味スタ

 磐田はMF名波浩(35)が、後半22分から復帰後初出場。FW万代のゴールをアシストする活躍で、2-0で東京Vを下し、5年ぶりに初戦を勝利で飾った。

 名波の体は、左前のFW万代でなく、右前のMF成岡を向いていた。後半31分にカウンターから迎えた3対2の場面。その一連の動作が、相手DFをつった。「DFの体重が左にかかったのが見えた。あとは万代の好きなところにボールを転がすだけだった」と、すかさず左前へノールックパス。復帰初戦で勝利を決定づけるアシストを軽々と決めた。これぞ名波だった。

 東京Vファンから「ありがとう名波」と横断幕を飾られた中で臨んだ、古巣との一戦。卓越した戦術眼が足踏み状態を変えた。1-0で迎えた後半22分。相手が1人少ない状況で出ると「落ち着かせたかった」と、時間を使いながらパスを回した。そして一瞬のすきを突いて、同26分にはMF上田へきわどいスルーパス。クリアされ「あそこを通してこそ名波」と悔しがったが、1本で流れを戻した。かつての同僚で東京VのMF福西も「いいところにいるよ」と感服していた。

 引退も考えた昨季の東京Vを経て、磐田を立て直すために身をささぐ今季。「出ることで1つの目標は達成できた。次は(中山)ゴンちゃんをアシストすることが目標。(そう言うと)書きやすいでしょ」と笑った。G大阪戦の中山のゴールに続く名波のアシスト。ベテランの勢いが、磐田を押し上げる。【今村健人】