<J2:横浜FC1-1C大阪>◇第9節◇26日◇ニッパ球

 横浜FCの41歳FWカズ(三浦知良)が、C大阪の日本代表候補MF香川真司(19)を激励した。試合前に声をかけると、ハーフタイムには何とユニホームをプレゼント。緊張でガチガチの平成生まれのニュースターを絶賛した。試合はカズのシュートを起点に横浜FCが先制、香川のアシストでC大阪が追いつき、1-1で引き分けた。

 前半終了のホイッスルが鳴ると、カズはベンチに戻る香川を呼び寄せた。背番号11のユニホームを脱いで「やるよ」と差し出す。香川は驚きながらも直立不動で受け取り、深々とお辞儀をした。「後半途中で交代すると思ったからさ」とカズ。香川は「本当にうれしいです。部屋に飾って、宝物にします」と喜んだ。

 前日、香川が自分のユニホームを欲しがっていると聞いて、サプライズを仕組んだ。「(C大阪時代に香川を知るDF山田)卓に聞いたらいいやつだっていうんで、ユニホームをあげることにしたんだ」という。普段も前後半でユニホームを替えるから、前半のものをプレゼントしたのだ。

 試合前には自ら歩み寄り「代表、頑張れよ」と声をかけた。試合中には倒れた相手を助け起こす場面も。「緊張したし、うれしかった」という香川を「ゴールに向かう姿勢がいいね。これからが楽しみ」と絶賛。「代表のメンタリティーを持った選手と同じ場で戦える。それがうれしい」と自らの励みにもした。先制ゴールはカズのシュートのこぼれ球から。「先輩」の頑張る姿を見せつけた。

 試合後には、報道陣に囲まれる香川と2ショット。「いくつだっけ?

 19歳。平成生まれか。22歳差。でも、同じだよね」と言って笑った。「小学生のころからのあこがれ。代表にもすごい人がいるけれど、カズさんは本当のスター」と緊張しまくる香川の肩をたたいて「頑張れよ」と一言。試合は引き分けたが、J2の新旧スター競演第1幕は、41歳が19歳を完全に圧倒した。【荻島弘一】