<J2:広島1-0山形>◇第11節◇3日◇広島ビッグアーチ

 山形が7試合ぶりの黒星を喫した。広島に攻守で圧倒され、後半23分に失点。攻撃陣がシュート2本に抑えられるなど、力の差を見せつけられた。3月20日の岐阜戦(3-5)以来、44日ぶりの敗戦だが、今季はまだ3敗目。負傷者続出の現状を乗り越え、前季J1の強豪との一戦で得た教訓を今後に生かす。

 前線に送るパスが、何度もカットされる。ボールを持つ相手にプレスをかけると、速いパス回しでかわされた。シュートも長谷川と坂井が1本ずつ放つのがやっと。スコア以上に力の差は歴然だった。試合後、厳しい表情でサポーターの前で一礼するイレブンに「戦え!」というヤジが浴びせられる。広島に、まともに戦わせてもらえなかった。

 FW長谷川は「いつもより相手が強かった。いいボールを受けられなかった」と肩を落とした。MF佐藤も「相手の技術が高かった。映像で見るより、速さを感じた」と振り返った。持ち味の堅守も一瞬のスキを突かれた。後半23分に自陣右サイドに攻め込まれ、GK清水がこぼしたボールを広島FW佐藤に押し込まれた。ロスタイムにはDFからFWに上がったレオナルドが、相手DFとの接触プレーで一発退場。反攻の勢いを失った。

 もっとも豊田とリチェーリの先発2トップ、渡辺と宮崎の先発ボランチ2人も負傷離脱中の現状では、善戦ともいえる。小林監督は「負傷者が多くて、体調が悪いのを使っている。もう少しできるはず」と悔しそうだった。リーグ戦は残り32試合。逆襲のチャンスは十分に残されている。【柴田寛人】