第1クール終了までの3試合の結果次第で去就が決まる福岡リトバルスキー監督(48)が8日、練習を再開した。「私の立場では、チームをより良くするしかない」とミーティングで去就問題には言及せず、淡々とした態度を貫いた。しかし、広島戦(11日)はFWグリフィス(28)が出場停止で、オーストラリアに帰国中のクルーク・ヘッドコーチ(45)の不在も続くなど、不安材料は山積している。

 再スタートは、得失点シーンを見ながらのミーティングだった。3失点以上して敗れた4試合の失点シーンと、前節熊本戦の2得点をビデオで振り返り、監督は「失点は誰のせいというわけではなく皆の失点、得点も皆の得点。現実から目をそらしてはいけない。何かを変えられるのは選手しかいない」と話した。田部和良GM(46)も出席したが、3試合の「執行猶予」については触れなかった。ゲームキャプテンのMF久永辰徳(30)は「選手はゲームに向けて、しっかり準備するだけ。監督がどうの、ということではなく、昇格のために勝たなくてはいけない」と、今後3試合を特別扱いするのを避けた。

 田部GMが監督続投の条件としたのは、チームの悪い流れを変えることだが、リトバルスキー監督を取り巻く状況は厳しい。昨年から二人三脚で指導してきたクルーク・ヘッドコーチが、家族の急病のため4月30日に帰国。その後、チームは連敗しているが、復帰の予定は立っていない。「分析や指導は、ほかのコーチがいるから大丈夫」と指揮官は話したが、右腕不在に表情は険しかった。【佐藤千晶】