窮地に陥ったDFラインを救うのは、チーム最年長のベテランだ。2、4月に2度、右かかと付近を手術して戦列を離れていたコンサドーレ札幌のDF西沢淳二(34)が、17日のホーム名古屋戦(札幌ドーム)で復帰することが濃厚となった。11日のサテライト戦には出場したが、リーグ戦は昨年12月1日水戸戦以来5カ月ぶり。15日の練習ではFWダビに厳しいマークを見せるなど復調をアピール。「いつでも出場できるように準備はしている」とベテランらしくコメントした。

 疲労とアクシデントでDF陣が総崩れになっている。左足小指を骨折した西嶋と腰などを手術した曽田が離脱中。前節大宮戦では平岡が右足首をねんざした。さらにこの日、センターバックの吉弘が発熱で練習を休み、池内も微熱が続いている。「吉弘も池内も風邪。5連戦で心理的にも体力的にも大変だったから」と三浦監督。西沢の復帰はW杯予選中断明けの6月29日G大阪戦以降を予定していたが、チーム事情から早められた。

 対戦する名古屋は古巣だ。01年から2年間在籍。チームを率いるストイコビッチ監督の現役最後の年に同じピッチでプレーした。「本当にうまかったですよ。今のチームの好調も分かる。カリスマ性ありますから」と、復帰戦にはまたとない相手だ。札幌移籍5年目の昨季は自己最多38試合に出場し、J1昇格へ貢献した。今季は出遅れたが焦りはない。この日も「もし(名古屋戦に)出場できれば頑張ります」と淡々と口にした。チームの危機には、こんなベテランらしさが頼もしい。【上野耕太郎】