J2仙台のFW田中康平(22)が6日、練習中に右足首をねんざし、戦線を離脱した。仙台市内の病院で精密検査を受け、全治3週間と診断された。初先発した5月31日の湘南戦で今季初得点。今後を期待された矢先のアクシデントだった。負傷者が続出し、3戦連続白星に見放されているチームの立て直しに、暗雲が立ちこめた。

 活気に満ちていた練習場の空気が、一瞬にして凍り付いた。1対1で競り合いながらシュートまで持ち込む練習中だった。「イテッ」という絶叫とともに、田中がピッチに倒れ込んだ。右足首を両手で押さえて、動くことすらできないほどの激痛に耐えていた。アクシデントに見舞われた成長株の周囲に、イレブンが次々集まった。

 足首から下が、グニャリと内側に入った状態で全体重が乗った。駆け寄る手倉森監督は「(足の)指か?」と骨折を疑ったほど。立ち上がれない田中をクラブハウスへ担ぎ込んだ。28日に右鎖骨骨折し、全治3カ月のMF菅井の名前も出しながら「いい状態にあったメンバーにケガが出ている。(田中離脱はチームにとって)痛い」と、指揮官の顔が曇った。

 前日5日にはクラブハウスの神棚を新調。おはらい直後のアクシデントだ。「ケガはしょうがないよね。これも何かの試練」と指揮官。だが内心は菅井、DF磯崎、MF三沢と別メニュー組の増加が気がかりのはず。今節試合がないため、じっくりチームの立て直しを図っているが、少なからず影響が出そうだ。

 両脇に松葉づえを抱えて帰宅した田中は「大丈夫。明日復帰します」と気丈に振る舞った。前節湘南戦で初先発、移籍1号。2試合続けてスタメンの期待が高まっていただけに「仕方ないです」と、さすがに元気はなかった。リハビリ期間も含めて、今月の5試合への出場は絶望的。上昇気流に乗りたいベガルタにとっても、痛い田中の離脱だ。【山崎安昭】