<ナビスコ杯:G大阪1-0横浜>◇準々決勝第1戦◇2日◇金沢

 G大阪がFW平井将生(20)のプロ初ゴールで、横浜との準々決勝第1戦を1-0で制した。MF遠藤が欠場する苦境の中、途中出場の平井が後半33分、右足で突き刺して接戦にケリをつけた。フランス代表FWアンリにあこがれるスピード抜群の「浪速のアンリ」が新たなヒーローに。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場のため予選免除だったG大阪が、2連覇に向けて好スタートを切った。第2戦は8月6日に行われる。

 プロ3年目の平井が魅せた。後半33分、左足のシュートはいったんGKにはじかれたが、こぼれ球を次は右足で突き刺した。チームメートに次々と抱きつかれ、「うれしい。若干うるっときました」とプロ初ゴールを素直に喜んだ。遠藤不在で華麗なパスサッカーが鳴りを潜め、FW播戸も肝機能障害で入院中。戦力が苦しい中で、ナビスコ杯2連覇への道を切り開くニューヒーローの誕生だ。

 G大阪ユース出身でDF安田と同期生だ。昨季は平井が背番号34から14へ、安田が33から13へと一気に「出世」した。安田が日本代表まで上り詰める一方で、平井は伸び悩んでいた。昨春はU-20日本代表候補にも入った逸材が、FWの厚い選手層に台頭を阻まれていた。6月30日には西野監督の個別指導でシュート特訓。「FWとして結果を残せたのがうれしい」と誇らしげだ。

 中学時代からFWアンリにあこがれ、DVDで研究してプレーを盗んできた。世界的スターの代名詞の背番号14をつけた「浪速のアンリ」がついにスポットライトを浴びた。「やっとスタートですね」。平井の殊勲弾で、G大阪が2連覇へ好スタートを切った。【北村泰彦】