さあ、首位獲りだ!

 ピクシー名古屋が27日、3連勝を狙ってホーム瑞穂陸に清水を迎える。前節23日に、首位鹿島相手に鬼門カシマでJ創設以来初勝利を挙げ、勢いに乗る名古屋は現在2位。首位浦和との勝ち点差はわずか1で、勝てば浦和の結果次第で4カ月ぶりに首位に返り咲く可能性がある。今季初めて首位に立ったのもアウェーでの清水戦(4月12日、日本平)。再び清水を踏み台に首位浮上を狙う。

 ピクシー名古屋がカシマで手にした歴史的1勝を起爆剤に首位をうかがう。ホームで清水に勝ち、首位浦和が東京Vと引き分け以下に終われば、首位に浮上する。ピクシー体制で初めて首位に立った第6節の相手も清水。再現の舞台が整ったようにもみえる。

 ただ、開幕からずっと順位には無関心という態度を貫くストイコビッチ監督のスタンスは変わらなかった。愛知・豊田市内での練習後の会見でも「順位ではなく、次の清水とのゲームでしっかりプレーすることだけを考えている」と“首位”の話題を右から左へ、サラリと受け流した。

 それでも、清水戦の重要さは強調した。「神戸、鹿島とアウェーで難しい2試合を2連勝してきた。清水に勝てれば、もちろん勝てると信じているが、2連勝という結果が意味あるものになり、我々が力をつけてきているという証明にもなる。清水戦は試金石。これは、チャレンジだ」と熱弁を振るった。

 リーグ制覇の経験がない名古屋の歴史では、首位に立った機会(節ごとの順位による)は93年のJリーグ開幕から数えるほどしかない。優勝争いが熱を帯びる終盤戦に限ると、2位フィニッシュした96年10月の第24節(全30節)の1度だけとなる。リーグ戦の約2/3を消化したこの時点で首位に立てば、前節の鬼門カシマでの歴史的1勝に続き、大きな勢いが生まれるだろう。前節の勝利で、開幕直後の6連勝以来、約4カ月ぶりにリーグ連勝モードに入った。この勢いを優勝争いに直結させるため、3連勝で首位をうかがう。【八反誠】