ピクシー名古屋が勝って決勝に行く。初の決勝進出がかかる大分とのナビスコ杯準決勝第2戦は7日にアウェー九石ドで行われる。3日のホームでの第1戦は先制しながら1-1の痛恨ドロー。相手にアウェーゴールというアドバンテージを与えた。明日の試合は0-0の引き分けでは敗退となる。過去6度はね返されてきた準決勝のカベをぶち破るには、敵地で絶対に得点が必要となった。持ち前の攻撃的姿勢でネットを揺らし、勝って決勝切符をもぎ取る。

 初の決勝進出を目指す名古屋に課せられた大分でのミッションは、第1戦の結果を受け明確になった。11月1日の決勝、国立のピッチに立てる条件は(1)勝つ(2)2-2以上の引き分けなら無条件。90分を戦い1-1の引き分けなら延長戦~PKへ、という流れとなる。

 一方、90分戦っての0-0ドローと敗戦は即時敗退を意味する。決勝は一発勝負のため今季、2戦合計で争われる試合はこれが最後となる。ただ、選手の思いはシンプルだ。

 FW巻は「勝ちゃあ、問題ないんで」と言い切った。勝利を目指して試合に臨む姿勢は、いつもと変わらない。FW杉本は「普通にやればいい。決めるところを決めれば勝てる。1点取れば相手も攻めてくる。そこで、もう1点カウンターから取る」とイメージを膨らませた。

 第1戦痛恨ドローの直後の会見でストイコビッチ監督が「我々の哲学はすべてのゲームで勝ちにいくこと。それは何も変わらない」と明確にした姿勢は、選手にも浸透している。

 この日の練習でも締めはシュート練習だった。真っ暗になる直前まで続いたメニューに、指揮官の「決めてこい!」のメッセージが込められていた。

 心強いデータもある。九石ドでは過去4勝1分けと5戦負けなし。大分はホームで今季公式戦16戦1敗と無類の強さを誇っているが、名古屋には苦手意識がない。昨年11月18日の試合ではヨンセンが来日初のハットトリックを達成し3-1で快勝している。そのヨンセンも「勝てばいいんだ」。勝って決勝進出を決め、初タイトルに王手をかけて愛知に戻る。【八反誠】