磐田MF山本康裕(18)が、ピンチをチャンスに変える。オフト新監督の来日が来週にずれ込む中、U-19日本代表の山本康は仙台カップ(11日開幕、仙台)出場のため、約1週間もチームを離れる。新監督へのアピールができないピンチも、逆転の発想でプラスに転換。首脳陣が、監督交代で若手に刺激を受けてほしいと願う中、その代表格がチャンスをつかみにいく。

 柔らかい足首から、相手DFの背後を突くパスが何本も出された。ピタリと合った時、一気にチャンスは訪れた。失われかけた前への推進力が、戻ってきた。この日のミニゲーム。生き生きとした山本康の顔が、ピッチに広がっていた。

 6日の練習試合・大阪産大戦後、仙台へ行く。U-19ブラジル、フランス代表らと戦うためにチームを離れる。オフト新監督との対面は15日以降。そのハンディも、18歳はプラスにとらえた。「監督が、みんなをほぼ知らない中でプレーしても、名前を覚えてもらえない。でも、途中から入っても、パッと光る動きをすれば目につくはず」。

 新加入の今季、ボランチの大器と期待されながら、4月20日大分戦を最後に出場機会を失った。だが、CBやサイドも担う中で少しずつ復活した。「若手への刺激」も望んで行われた監督交代。その期待を受けるべき男が目覚め始めた。

 06年9月、当時のアジウソン監督に見初められ、チーム最年少のJデビューを果たした。「外国人には気に入られやすいかな。アジに気に入られたように、オフトでも頑張ります」。仙台から戻る日を、楽しみにした。【今村健人】