浦和FW高原直泰(29)が、背水の覚悟でチームのタイトル奪取に貢献する決意を固めた。J再開となる13日、同じ勝ち点41で並ぶ大分とホームで上位対決に臨む。大事な一戦を控えた12日、無言を貫いた高原だが、J&ACLを合わせ1週間2戦ペースの最大8連戦に向け、胸の内でタイトル請負人としての自覚を強く意識していた。

 高原の関係者によれば「ここでタイトルを取らなければ(移籍してきた)意味がない」と、自らを瀬戸際に追い込んでいるという。最近は練習時間よりも1時間以上も早くクラブハウスに姿をみせ、体調管理を徹底。持久走が足りないと感じれば、居残り走でコンディションを整えた。高原は「今は自分のスタイルを貫きたい」と、ドイツ時代を振り返り、特に活躍した昨季と照らし合わせて食生活、調整パターンも戻した。

 同関係者は「タカ(高原)はサッカーはチームプレー。みんなでやらないとタイトルは取れない、と言っている」と明かす。その言葉通り、最近の高原はチームメートを食事に誘ってコミュニケーションを取り、選手間の雰囲気も盛り上げようとしている姿がある。

 FWコンビを組んでいた田中達が6日バーレーン戦で右太もも筋膜炎を負い、戦線離脱した。Jリーグに加え、ACL決勝トーナメントも始まる大事な時期。ここまでリーグ20戦4得点と不本意な成績だった高原の完全復活が不可欠になることは間違いない。エンゲルス監督からもFWの動きを一任されるエースが、自らを奮い立たせてタイトル奪取の原動力になる。【藤中栄二】