CKにはCKで仕返しだ。J1清水のMF山本真希(21)が17日、20日の神戸戦(神戸ユ)に向け、居残りで約40本のCK練習を行った。7月12日の神戸戦(日本平)では相手の倍以上となる16本のシュートを放ちながら、1発のCKで0-1の敗戦。チームきってのキック力を誇る山本真が、勝利のゴールを導く準備を始めた。

 山本真が描く放物線は、神戸撃破への懸け橋だ!

 チーム練習終了後、残暑の中で山本真が黙々とCKを蹴り続けた。長谷川監督から「次はセットプレーが大事なので、いいボールを蹴って練習しろ」と、MF枝村とともにキッカー指名を受けると、居残りで左から約25本、右から約15本。「速いのを蹴るとミスするので、置きにいく感じ」で、丁寧に球を上げていった。

 「まだ狙ったところに蹴れてない」と満足はしていないが、チームきってのキック力を持つ山本真は、プレースキッカーとしての素養は十分だ。長谷川監督は「速い、強いボールが蹴れるのが長所。速いボールが蹴れれば、加減ができる。ゴルフのドライバーと一緒。(強い球を)打てない人が思いきり打つと、精度が落ちる」と理由を説明する。

 パワフルキックは、幼少期から磨かれてきた。まだ自転車に乗ることができなかったころ、3歳年上の兄がこぐ自転車に、走って付いていった。当時は走ることが好きだった。生活の中で、自然と脚力が身についた。現在は「ミートすることだけを意識している」が、ナビスコ杯G大阪連戦では2本のミドルシュート(1本はゴール前でコースを変えた枝村の得点)が、相手ゴールに突き刺さった。

 公式戦では、3戦連続で得点に絡んでいる。「調子?

 悪くない。次、勝てれば大きい。勝ちたい」。ユース時代の05年4月にトップデビューを果たした期待の大砲が、3年半の歳月をへて、実りの秋を迎えている。【斎藤直樹】