大分FW森島康仁(21)が、日本代表候補にリストアップされていることが22日、分かった。岡田武史監督(52)が13日浦和戦、20日東京V戦を連続視察したが、関係者によると目的の1人が森島だったという。この日、岡田監督は親善試合UAE戦(10月9日・東北電ス)に向けた代表合宿に4人程度、初招集する意向も示した。合宿初参加の可能性も出てきた森島にとって、チームがJ1タイ記録の6試合連続無失点に挑む23日の札幌戦(鴨池)は絶好のアピール機だ。

 7月の期限付き移籍で輝きを取り戻した186センチの長身FWにチャンスが巡ってきた。8月16日の新潟戦でのJ1初先発、初ゴールをマーク。岡田監督が視察した東京V戦でも長身を生かしたヘディングだけでなく、足元に入るくさびのパスにも対応できるポストプレーで体を張り続け、前半ロスタイムには相手DFの反則を誘い、先制FKを“アシスト”してみせた。

 9月6日にW杯最終予選第1戦バーレーン戦を戦った日本代表だが、その試合に出場したFWは、173センチ玉田(名古屋)167センチ田中達(浦和)170センチ佐藤寿(広島)の3人。いずれもスピードタイプで、ポストタイプはコマ不足だ。両足首痛で日本代表から遠ざかっているFW高松に代わって大分の先発に定着した森島は、現在の代表が欲するFWの姿に重なる。

 昨年7月のU-20W杯では3戦2ゴール。海外での実績も持つ。北京五輪最終予選にも出場したが、本大会メンバーから外れた直後には「もう日本代表しかない」と、フル代表への思いを口にしていた。札幌戦も先発出場が濃厚。「守備陣が頑張ってくれている。セットプレーとか、数少ないチャンスをものにしたい」。チームを勝利に導くゴールが、日本代表の扉にも手をかけることになる。