<J1:川崎F3-0大分>◇第28節◇4日◇等々力

 川崎FのMF中村憲剛(27)が、前半23分に浮き球でFWレナチーニョの先制弾、後半13分にスルーパスでFWジュニーニョのゴールを演出。圧倒的に広い視野を見せつけ、J最少失点を誇る大分の堅守を無力化した。「自分のところでパスが回せた。難しいことは何もしてない」とサラリと言うほど、攻撃の流れによどみはなかった。

 「開眼してきた」と口にするほど好調で、周囲を完ぺきに使いこなしている。その裏にはゲーム主将としての努力もあった。レナチーニョは8月、トップ下のMFヴィトール・ジュニオールも7月に加入と、攻撃の陣容は変わったばかり。その2人に練習中、声を掛け動き方や守り方を教えた。「前を向いたら裏を狙って」と何度も繰り返し話したことがこの日開花した。