<J1:川崎F3-0大分>◇第28節◇4日◇等々力

 完敗だ。シャムスカ監督の背番号「85」のユニホームをベンチに飾って臨んだ大分が、今季ワースト3失点で暫定4位に陥落。スタンド最上段で試合終了を迎えた指揮官は、身動きできず腕を組んだままだった。「自分たちのミスから失点を招いたし、今日は90分以上試合をしても点が入らなかったと思う」。攻守に精彩を欠いての半年ぶりの連敗。現実をしっかり受け止めた。

 自滅だった。前半23分、MF高橋がゴール前で相手ロングボールを処理ミス。川崎FのFWレナチーニョが右手でボールをコントロールしたかのように見えたが、ゴールが認められると完全に浮足立った。中盤でのパスミスを繰り返し、4分後にもカウンターから追加点を献上。「ミスからバタバタした。課題が浮き彫りになった」。個人のプレーでは、視察した岡田日本代表監督から及第点を与えられた日本代表DF森重も、厳しい表情だ。

 リーグ最少失点を誇った堅守が、これで3試合連続失点。守備的MFホベルトが右足内転筋を痛め、前半37分に交代したことも響き「やられるべくしてやられた。結果をしっかり受け止め、悔しさを次につなげるようにしないといけない」とMF鈴木は口にした。

 じっとピッチを見つめるシャムスカ監督に、大分サポーターから「次は頑張ってください」とゲキが飛んだ。区切りにしていた試練の県外5連戦を終え、残り6試合で高勝率のホームを4試合残す。「しっかり優勝という目標を掲げてやっていきたい」。シャムスカ監督が復帰する次節東京戦(18日・九石ド)から、大分が再浮上を狙う。【村田義治】