「Xデー」は1日でも遅い方がいい。コンサドーレ札幌が5日、アウェーで磐田と対戦。カタールリーグの強豪アルサードとの移籍問題で騒動を起こしたエースFWダビ(24)が3試合ぶりに先発する。磐田に敗れれば、最短でその次の19日ホーム柏戦の結果次第でJ2降格が決まる可能性がある。エースFWが騒動にケリをつけるゴールで、少しでも降格決定を遅らせる。

 頭の中から移籍のことは消し去った。試合を前日に控えた4日、札幌・宮の沢で行われた最終調整で、ダビは左足を何度も振り抜いた。シュート練習でゴールが決まれば笑い、外れれば悔しがった。「試合がやりたくてしようがない気持ちだよ」。ゲームに飢えていた。

 磐田戦は敗れればJ2降格に「逆王手」がかかる。残留は風前のともしびだ。ここ2試合、ダビは出場停止と移籍交渉で欠場。その影響もあり、チームは連敗を止められなかった。特に1度、シーズン中の移籍を決意し、チームを離れたことに責任を痛感している。「状態はいい。勝ちにいくいい試合をしたい」と勝利で暖かく迎えてくれたチームメートに恩返しするつもりだ。

 三浦監督も「ダビは気持ちを切り替えているでしょう。いるといないでは期待感が違うし、相手もいやでしょ」と、モチベーションの低下は心配していない。やっぱり相手のゴールをこじ開け、チームを救うのはダビしかいない。