<J2:山形1-0湘南>◇第41節◇26日◇NDスタ

 J2山形は後半ロスタイムのゴールで4位湘南を1-0で下し3連勝。次節11月9日の徳島戦(鳴門大塚)で引き分け以上で、入れ替え戦出場の3位以内を確定する可能性が出てきた。

 昇格への一筋の光だったのか…。後半40分ごろ、曇天からパッと日差しが差した。それが合図だったかのように、太陽光線を浴びた山形イレブンが、最後の攻撃を仕掛ける。そしてロスタイム。左サイドを上がったMF渡辺が、ドリブルで中に切り込みながらシュート。約7カ月ぶりの今季2点目は、勝ち点3をもぎ取る貴重な決勝弾になった。「あんな時間帯に入れたのは初めて。興奮して頭が真っ白」。今季3度目の1万大観衆の熱狂を感じながらイレブンと抱き合った。

 小林監督の読みが当たった。湘南の両サイドの裏にスペースができる傾向を分析。練習で、渡辺がMF宮崎とのパス交換で裏を突く攻撃をしていた。守備固めで途中出場した渡辺のゴールも、この練習があったからこそ。小林監督は「2人のコンビは右サイドで練習していたけど、いい形になったね」と笑顔を見せた。

 自動昇格圏の2位争いは仙台との「みちのく対決」の様相を呈してきた。したたかな指揮官は、今後の残る4試合で勝ち点が並んだ場合を想定。「仙台に負けずに点を取って、得失点差でも勝負できるようにしたい」と話した。11月3日の天皇杯4回戦でJ1川崎F戦で「試運転」した後、昇格への階段を一気に駆け上がる。【柴田寛人】