コンサドーレ札幌が、シーズン秋春制移行の流れに「待った」をかける。日本サッカー協会名誉会長の川淵キャプテンが28日、同協会の犬飼会長が推すシーズン移行に同調した。10年から実施される可能性が出てきたことを受けて、北海道FCの矢萩竹美社長(58)が一夜明けた29日、雪国クラブの代表として意見を口にした。

 矢萩社長

 まだ正式な議題にはなってないが、クリアできない問題はたくさんある。ドームがあっても1、2月の試合は無理だし、練習など100%無理。新たな設備投資などについても、サッカーのためにお金を出す状況に、自治体などが今あるかどうか。相当難しいと思う。

 気候的面から北海道では冬期間の開催が不可能なのは明白な事実。その期間はすべてアウェー戦という一部意見にも「サポーターがそれで納得するのか。サポーターの視点という感覚が欠けているのは残念」と同社長は異を唱えた。

 ただし、会長に続いて名誉会長も前向きな発言をした現実は、きちんと受け止める。近々に対策チームを結成する準備を進め、道協会など関係各所と協力し、さまざまな面から“秋春開催”の功罪をあぶり出す構えだ。「データはきちんと整理して、理論武装して臨んでいきたい」と矢萩社長。今後、具体化していくであろう議論に、クラブとして正面から立ち向かう準備をしていく。