コンサドーレ札幌のGK佐藤優也(22)が2日の天皇杯4回戦横浜戦で「お騒がせ男」を返上する。当初はベンチスタートの予定だったが、GK高木が左ひざを負傷したため急きょ、先発のチャンスが巡ってきた。今季公式戦に16戦出場し、3分け13敗と未勝利。天皇杯で「J1初勝利」を狙う。

 佐藤は1日に札幌・宮の沢で行われた最終調整のPK練習で9本中2本のシュートを止め、感覚を確かめた。昨年の天皇杯3回戦TDK戦では、決まれば勝利のPKをチップキックで外した。そのことを思い出したのか、自ら蹴る場面では、ふざけず、冷静に決めた。「今年は今年で、しっかり元旦を目指してやっていきたい」。絶対に気を抜かず、まじめにやるつもりだ。

 天皇杯は何かと縁がある。03年の市船橋高時代から4度目の出場。記憶に新しい昨年のチップキック以外にも、06年はボールを相手に奪われるなど、痛恨のミスを犯した。今回の横浜は市船橋高時代の03年度大会3回戦で対戦。そのときは敗れたとはいえ、PKまで持ち込み、「いいイメージはあります」と手応えを感じている。

 プロ5年目で初めてJ1の舞台に立ったが、今季はまだ勝利を経験していない。リーグ戦は11試合出場で1分け10敗、ナビスコカップは5試合出場で2分け3敗。「サポーターに勝ちを見せたいと、いつも思っている」。良くも悪くも因縁がある天皇杯で、今季の悔しさを晴らす。【長島一浩】