<天皇杯:清水1-0千葉>◇4回戦◇5日◇日本平

 清水がFW岡崎慎司(22)の後半ロスタイム弾で、千葉を1ー0で下した。1日のナビスコ杯決勝大分戦の敗戦のショックを振り払う劇的な勝利。初戦を突破して16強入り、ホーム10戦負けなしの勢いで、静岡ダービー(8日、エコパ)を迎える。

 最後の最後にFW岡崎が決めた。途中出場のMF大前のスルーパスに抜け出し相手GKを冷静にかわしてネットを揺らした。その瞬間、主審の試合終了を告げるホイッスルが鳴った。

 前半、何度も決定機を作りながらゴールを奪うことができない。ハーフタイムに長谷川監督は「後半もこのまま続けること」と選手たちを鼓舞した。後半26分、FW矢島に代えFW原を投入。攻撃の手は緩めない。同35分、MF高木純からのパスに鋭く反応したFW原がシュートを放つも相手GKに阻まれる。同37分、途中出場のMF大前が放ったシュートは相手GKの手をかすめバーに直撃、こぼれ球をFW岡崎が頭で押し込むがオフサイドの判定に泣く。

 ロスタイム3分の表示が掲示される。延長戦を覚悟したときのゴールだった。岡崎は「オフサイドギリギリだったけど、チャンスを決められて良かった」と喜びを口にしながらも、「正直、延長の覚悟はあった。あれだけシュートを打って入らないのはダメ」と自らを厳しく評価した。

 次戦の磐田とのダービーに向け、ナビスコ敗戦の悪夢は振り払った。長谷川監督は「もう1度戦うメンタリティーになれた」と勝利を評価した。岡崎は「ナビスコの決勝に行ったという力を(これからの試合で)見せないといけない」と力強く話した。エースとしての自覚と最後まであきらめないハングリー精神を備えた「岡ちゃん」を中心に清水の反撃が始まる。【為田聡史】