ガチンコで勝利を-。15日の天皇杯5回戦川崎F戦(長崎)を前に、J2サンフレッチェ広島ペトロビッチ監督(51)が「守備固めに専念するつもりはない」と断言。今季J1で最多55得点(31試合)の破壊力で優勝争いを繰り広げる相手に対し、90得点(39試合)のJ2最強集団が真っ向勝負を挑む。J1昇格を果たしたサンフレが、天皇杯を熱くする。

 一歩も引かない。残留争いを演じるJ1東京Vを撃破したサンフレの、次の相手はJ1屈指の攻撃力を誇る川崎Fだ。チームは13日、吉田サッカー公園で練習に励んだ。代表でFW佐藤寿は不在だが、代わりにMF高萩が1トップに入る。そしてMF柏木、森崎浩が2シャドーに。7-1の記録的大勝を飾った9月7日岐阜戦と同じ攻撃布陣で、強敵に挑むつもりだ。

 昨季J1得点王の快足ブラジル人FWジュニーニョ、北朝鮮代表のパワフルFW鄭大世…。破壊力抜群の川崎Fだが、指揮官は「相手の良さを消すようではダメだ。徹底した守備固めをするつもりはない。うちも攻撃を仕掛ける」と断言。波状攻撃で相手を守勢に追いやる作戦だ。

 勝機は十分にある。エース不在のサンフレに対し、川崎Fは司令塔・中村憲、守護神・川島ら主力3選手が代表により不在。だからこそ「守るのではなく攻める」(MF柏木)つもりだ。北朝鮮代表復帰を狙うMF李も「鄭は代表で一線級の活躍。個人的に燃えるモノはある」と気合十分。既にJ1復帰&J2優勝を達成した紫のイレブンが、天皇杯J1勢撃破で来季に弾みを付ける。【佐藤貴洋】