<J1:磐田3-3柏>◇第32節◇23日◇ヤマハ

 磐田がロスタイムに、J1残留の望みをつないだ。2点を先行しながら、3連発を浴びて逆転。試合終了間際、FWカレン・ロバート(23)のゴールで、引き分けに持ち込んだが、残り2戦厳しい戦いは続く。清水は途中出場のFW矢島卓郎(24)の決勝弾で浦和に2-1で競り勝った。埼玉スタジアムでのアウェー浦和戦で、チーム初勝利を挙げた。

 複雑な思いがピッチ上で交錯した。勝ち試合をモノにできず、大逆転負け濃厚ムードから、終了間際に息を吹き返したドロー試合。終了のホイッスルが鳴ると、死力を尽くして90分間戦った選手らは、喜ぶことも悔しがることもできず、しばらく動かなかった。GK川口は「リードしたし勝ち試合だと思う。でも負けたと思ったところから追いついたから…」と、複雑な気持ちを表現した。

 2点リードをしながらも、柏のペースにはまり、ファウルは相手の倍近い26も重ねた。その結果、セットプレーからの2失点を含む3発を食らい、大逆転を許した。川口は「不用意なファウルを与えすぎた」と、反省材料を挙げた。それでも、最後の同点アシストを含む2得点に絡んだMF駒野が「最後で追いつけたのはみんなの気持ち」と、貴重な勝ち点1を獲得したことには違いない。

 このドローで最終節まで残留争いを強いられることになり、負けは許されない。DF茶野が累積により、2試合の出場停止となるマイナス材料も出た。オフト監督は「選手は勇敢にプレーし、ギブアップしないで戦った。でも、今後ミスの余地はない」と、残り2戦に気を引き締めた。この勝ち点1が大きかったとなるためにも、厳しい戦いを乗り切る。【栗田成芳】