川崎F川島「神の手」が生んだ4発/J1
<J1:川崎F4-0神戸>◇第33節◇29日◇等々力
神戸を下し、今節での鹿島Vを消した川崎Fは、GK川島英嗣(25)が好セーブを連発。4-0大勝を呼び込み、逆転Vに望みをつなげた。混戦の08年度リーグVは、30日に札幌と戦う名古屋を含めた3チームに絞られた。
シュートは1本も打ってない。それでも4発を生み出したのは、間違いなく、川島の「神の手」だった。主将のDF伊藤が絶賛する。「ここまで相手にチャンスをつくられたことはない。耐える展開で勝ったのも初めて。永嗣さまさま」。視察した日本代表の加藤GKコーチも「再三の好セーブから大量点が生まれた」と分析した。
前半3分に先制。しかし、その後は神戸の猛攻撃を浴び、防戦一方になった。その中で川島は、29分と45分にFWレアンドロのシュートを体で止めた。「絶対決めさせない気持ちも大事だが、どう対応するかが重要。冷静にできた」。後半6分にもFW吉田の決定的な1発を指先ではじく。神懸かり的なセーブを連発し神戸の波状攻撃を止めると、リズムを取り戻した攻撃陣が後半だけで3点を入れた。
J屈指の3トップで、前節までJ1最多の59点を挙げながら、失点は上位5チーム中最多の42。破壊力を持つ半面、前掛かりになった裏を突かれ、失点を重ねてきた。そこが鹿島との差だった。「無失点が続かなかったので、失点0で終わりたかった」。2試合連続完封に、川島はうなずく。安定した戦いを続けることが、Vへの道だと分かっていた。
負けられない理由もあった。今季はホーム戦7試合で、1試合あたりSA席15席ずつ、合計36万7500円分の座席を購入。「永嗣シート」と名付け105人の子どもを招待してきた。この日は骨のがん「骨肉腫」を乗り越え前日28日に退院した、尻無浜(しりなしはま)直樹くん(川崎大師中1年)が観戦。試合前に「絶対勝つからね」と誓っていた。「僕らは追う立場。絶対的な勝ちが求められる」。勝ち点3差の鹿島との得失点差は4。攻守がかみあってきただけに、逆転Vは不可能ではない。【村上幸将】
[2008年11月30日8時30分 紙面から]
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