コンサドーレ札幌のDF池内友彦(31)が、6日の今季最終ホーム鹿島戦で意地を見せる。11月28日に戦力外通告を受け、6年間所属した札幌での最後の試合になる。鹿島は96年にプロ生活をスタートさせたチーム。さまざまな思いが交錯する中、目の前の一戦にすべてを注ぐ。

 進退の話は封印した。4日、札幌・宮の沢での練習を終え「今後の自分より、鹿島戦のことしか考えていない。相手が鹿島でなかったら『今後どうしようか』という気持ちは強かったと思うが」と胸の内を明かした。戦力外通告後に鹿島OBの秋田豊氏(京都コーチ)、同期入団のFW柳沢(京都)らから励ましの連絡を受け、気持ちは吹っ切れた。プロ生活を始めた思い出深いクラブが相手。両クラブに恩返しをしたい。去就はシーズン終了後に回し、この試合に全霊を傾ける。

 長女が風邪をひいたため、3日から家族と離れ、ホテル生活をしている。11月の浦和戦前には長女の看病を熱心に行い、体調を崩した。万全を期し、札幌ラストゲームに臨む。「思いっきりやりたい。楽しみたいなあと思う。ゴールを決められたら最高かなあ。(鹿島の)トップチームとやるのは、最初で最後になるかもしれないから」。悔いのない1戦にすることを心に誓っている。【長島一浩】