「優良」助っ人が、大暴れする。10日J1磐田との入れ替え戦第1戦に臨むJ2仙台FWナジソン(26)が9日、勝利を引き寄せるゴールを予告した。大口をたたかない助っ人が、自信たっぷりな理由は、韓国Kリーグの05年水原時代に、磐田を破るゴールを奪っているから。自宅で対戦相手の最新VTRの分析を欠かさない勉強家が、ベガルタにJ1を引き寄せる一撃を決める。

 数多くの助っ人を見てきた手倉森監督が「こんな外国人見たことない」と評するナジソン。7月の加入後、対戦相手の最新試合を、自宅で熱心に分析しているという。戦術ミーティング前に、ナジソンと雑談していた指揮官は「すでに、磐田の特徴を分かっていた」と目を丸くする。勉強熱心の優良助っ人だが、物足りないのは得点数。リーグ戦はわずか3ゴールだった。

 入団会見でベガルタの昇格を約束したナジソン。Kリーグ得点王の実力を見せずに、今季を終わるわけにはいかない。「サポーターも期待していると思うし、いいタイミングでゴールは出るはず。明日(10日)出る感じがする」。スタメン濃厚のナジソンのゴール宣言の裏には、磐田戦のいい思い出がある。

 水原時代の05年4月6日、アジアチャンピオンズリーグで磐田と対戦。自身のゴールで1-0で勝利したことを、今でも覚えている。「いいイメージがある。当時の磐田は強かった」とナジソン。月日が流れ、所属クラブは変わったが「仙台は勝てる。自分だけでなく、みんな自信を持っているよ」と胸を張った。泣いても笑っても残り2戦。リーグ戦で出し惜しみしたはずの本当の実力を、短期決戦に発揮する。【山崎安昭】