<全日本大学選手権>◇11日◇決勝◇国立

 元日本代表で、昨年1月に就任した筑波大・風間八宏監督(47)が初タイトル獲得を逃した。前半29分にオウンゴールで先制するも、中大のサイド攻撃に押し込まれ同35、39分と連続失点。5年ぶりの優勝を目指したが、16年ぶりの優勝を狙う相手の執念の守りを最後までこじ開けられず、1-2で逆転負けした。女子は、日体大が早大に2-0で快勝し、2連覇を達成した。

 試合終了の笛が鳴る中、風間監督は両腕を組み、ピッチを静かに見詰めた。「選手に助けられた。弱かった体も強くなり、戦うサッカー選手になった。そこが進歩」と教え子をたたえた。前半29分にMF永芳のFKがDFに当たって入り先制も、シュート数では7-21と圧倒された。それでも技術を前面に、中から崩しにかかる「スペースを探さず人を崩すサッカー」(同監督)を貫いた手応えがあった。

 昨年1月、07年度の関東1部リーグで10位と低迷し、残留を争った名門の立て直しを託された。その日から技術を追求し、頭で考えずにまず体を動かして何事にも取り組むことを要求。それを1年間言い続け、1部リーグで3位と復調し全国で2位となった。「来年どうするかは分からない」と去就については言葉を濁したが「サッカー観が変わった、充実の1年」と話すGK碓井ら選手は、続投を願っていた。