<静岡県高校新人サッカー地区大会:清水商7-1島田工>◇12日◇島田工グラウンドほか◇中部1次リーグ(L)10試合、西部同19試合

 名門復活を目指す清水商は、MF風間宏希(2年)の1得点1アシストなどの活躍で島田工に7-1で快勝した。風間は、同校OBの父八宏氏(47=筑波大監督)も高校時代に主将を務めており、清水商初の親子2代での大役を背負い、2年ぶりVに突き進む。

 昨年同様のエースナンバー「8」を背負いピッチに立った風間主将は、1得点1アシストの活躍にも満足していない。新チームになって2戦目の公式戦で、島田工を相手に、大差で勝利したが「まだまだ課題はたくさんある」と、厳しい表情で話した。名門復活のキーマンとして、求めるレベルは高い。

 序盤からボールを支配しながらも、なかなかシュートまで持ち込めない。攻めあぐんだ末に、相手のカウンターでヒヤリとする場面もあった。中盤の上がりめにポジションをとると、大滝雅良監督(57)から「これじゃ、負けパターンの試合だ。前線でキープしてるだけじゃダメ。もっとシュートを打て」と指摘も受けた。強烈なミドル弾で1得点を奪い、さらに1アシストを記録しながらも指揮官からは、厳しいゲキを飛ばされた。

 主将に就任して求められるものは、個人の資質だけではなくなった。「まだまだ、キャプテンらしくない。もっと、声を出して引っ張っていきたい」と課題を挙げた。同監督からも「(風間)宏希が主将として成長することが、チームにとっても大事なこと」と大きな期待を寄せられる。

 この日、国立競技場では、広島皆実が全国選手権で初優勝を飾り、新しい歴史を刻んだ。かつて、同大会に11回出場し3度の優勝を果たした名門が、00年度以来出場すら遠ざかっている。合併により「清水商」という名を優勝旗に刻むチャンスは残りわずかになった。「勝ちたいではなく、勝たなければいけない」。風間が“清商ブランド”を再び突き上げてみせる。【為田聡史】