準優勝でも、注目度はNO・1だ。第87回全国高校サッカー選手権決勝から一夜明けた13日、得点王のFW大迫勇也(3年)ら鹿児島城西イレブンが帰郷した。鹿児島空港で約200人、鹿児島中央駅では約1500人が、大会最多の29得点を記録したチームを出迎えた。広島皆実との決勝戦(12日)テレビ中継は、鹿児島県内で視聴率44・4%。鹿児島実が優勝した04年度決勝の41・7%を抜いて、放送した鹿児島読売テレビが94年開局以来、最高を記録した(視聴率はビデオリサーチ調べ)。

 「大迫フィーバー」は、全国区だ。羽田空港でバスを降りると、あっという間に人が集まった。女性から握手をせがまれた大迫勇は「サッカー関係以外の人と握手したのは初めて。顔が知られたような気はする」と照れた。個人最多10得点を挙げた選手権を振り返り「自分の課題がたくさん出たので、プロで、それに挑戦したい」と、新しいステージに目を向けた。14日は、日置市の学校で報告会。15日は県庁などを訪問、16日は伊集院駅~日置市役所間をパレードと、フィーバーは続きそうだ。それでも、昨年12月26日以来の鹿児島で、大迫勇は「学校生活も残り少ないので、1日1日を楽しみたい」と、普通の高校生の笑顔を取り戻した。【佐藤千晶】