G大阪MF遠藤保仁(28)が、今季の目標に「全6冠制覇」を掲げた。体調を考慮され日本代表の鹿児島・指宿合宿を免除されている遠藤は17日、大阪・吹田市内の万博グラウンドで始動した。昨季の過密日程で痛めた右足首、右太ももは順調に回復。クラブでは「すべてのタイトルを狙いにいきたい」と、4年ぶりのJリーグ制覇など全6冠奪取を誓った。日本代表ではW杯南アフリカ大会出場権獲得を目指す。

 慎重に体調を確かめつつ、遠藤が09年のスタートを切った。午前10時から約40分間、ランニングを行った。その後、クラブハウス内のジムで1時間ほど筋トレもこなした。

 「昨日も少し体を動かしていたし、少しずつやっていければいい。大きな問題はない。不安もまったくない」。

 天皇杯の元日決勝まで昨季は、日本代表戦を含め計60試合に出場。強行日程が響き、終盤は右足首痛や右太ももの張りを訴えた。日本現在実施中の代表の指宿合宿は体調面を配慮されて免除された形だが、約2週間のオフですっかり回復したようだ。順調な始動を示すように、口ぶりも穏やかだった。

 日本代表ではW杯出場権獲得が絶対的ノルマになる今季、クラブでも貪欲(どんよく)になる。「すべてのタイトルを狙いにいきたい」と4年ぶりのリーグ制覇、ACL連覇など、チームとして可能な「6冠」全取りを力強く宣言した。

 欲張りになる理由もある。今オフは神戸からFWレアンドロ、清水から日本代表DF高木を獲得。韓国代表FWチョ・ジェジンらを補強した。「(目標へ)いける戦力はある」。厚さを増した選手層に自信を見せた。

 代表には22日に合流し、誕生日の28日アジア杯予選バーレーン戦(マナマ)に備える予定だ。クラブでは天皇杯覇者として、J王者鹿島と戦う2月28日のゼロックス杯(国立)が今季初戦。全6冠制覇へ、遠藤がアジア王者G大阪をけん引する。【木村有三】