【グアム23日=永野高輔】芸は身を助ける-。コンサドーレ札幌の石崎信弘監督(50)が、練習後の罰ゲームに取り入れている一発芸も、レギュラー選考の要素に組み入れる方針を打ち出した。(1)面白いか(2)すぐにできるか(3)やり直しを指示されてもすぐ対応できるかを基準とする。試合にも通じる度胸判断の1つとして“一発芸査定”を盛り込んでいく。

 石崎監督が“ずぶとさ優先”主義を打ち出した。選手選考について「(サッカーで)同じレベルなら当然、面白い芸をやった選手の方が印象に残る」と持論を口にした。あくまで実力が最優先も、今キャンプ恒例となっている罰ゲームでの一発芸の質、対応能力も、選手の適性を判断する材料として考えていく。

 グアムキャンプのこの日までの3日間で一発芸を経験したのはMF岡本、DF西嶋、FW横野の3人。「みんな面白い」と評価した石崎監督だが「すぐにできないといけない。笑わなかったらやり直しさせる」とさらなるハードルを課すことも忘れなかった。目指すチームスタイル同様、激しさとスピードをプレー以外でも要求していく。

 新指揮官の戦力構想はMFクライトン以外横一線。キャンプで徐々に選手の特長をつかんできたが、性格までは把握し切っていない。22日夜にGK佐藤ら4選手と個人面談を行うも、予定より30分早く終わってしまった。選手にとって一発芸は、指揮官に「自分」を見せるチャンスともなる。

 たかが「芸」とはいえ、即座に判断し行うのはサッカーと共通する部分だけに、甘くはとらえていない。きつい練習に耐え、さらに芸も磨く。試合同様、追い込まれたときの“瞬発力”が今季の札幌では不可欠な要素になる。