昨年9月20日の柏戦で左ひざ前十字靱帯(じんたい)損傷及び半月板損傷の重傷を負った鹿島MF小笠原満男(29)が25日、約5カ月ぶりの実戦形式となる紅白戦に出場した。当初はリーグ開幕どころか3月中の復帰も難しいとみられていたが、驚異の回復力で早期復帰へ大きく前進した。

 この日の30分の紅白戦に控え組のボランチとしてフル出場。ミドルシュートを放つなど、攻守に積極的に動き回った。「合流できたのはいいけど、今日のプレーじゃダメ」と反省したが、存在感は別格だった。24日に都内の病院で精密検査を受け、実戦練習合流へのゴーサインが出た。安藤フィジオセラピストは「予定より(回復は)全然早い。前十字靱帯は6カ月たっても復帰できない選手がいるくらいですから」と証言。小笠原自身も「ここから状態を良くしていきたい」と前向きだ。

 開幕浦和戦(3月7日、カシマスタジアム)への出場は微妙だが、可能性はゼロではない。その後はアジア・チャンピオンズリーグとの過密日程が続くだけに、早期復帰だけでもチームには朗報だ。「今日の紅白戦は(0-3で)負けたので楽しくなかった」と話した負けず嫌いの主将が、完全復活へ急ピッチで仕上げていく。