サポーターの負傷事故が発生した浦和が「見学者用スタンド」増設の検討に入ることが23日、分かった。前日22日、さいたま市浦和区の「さいたま市大原サッカー場」で、突風にあおられた鉄製の門扉が倒れ、練習を見学していたサポーター2人が負傷。一夜明けたこの日、関係各所と再発防止策を検討した藤口光紀社長(59)は「見学に来られる方の環境を整備しないといけない。自治体とも相談して(スタンド増設を)考えたい」と明かした。

 浦和は04年1月に敷地内のクラブハウスを全面改修し、その際に一般見学者のための観客席194席を設置した。だが、近年は練習見学者の増加で収容しきれず、多いときには敷地外周のフェンス越しに1000人近いファンが連なって立ち見する。今回は門扉の事故だったが、付近には自動車が通行可能な道路や水路もあるだけに、藤口社長は「新たな事故が起きる危険もある。何席のスタンドが何段組めるかは現段階で分からないが、チームとともに、環境面でもステップアップしたい」という。

 敷地拡張が困難なため、クラブハウスに隣接する現存のスタンドとは別に、敷地内のピッチと外周フェンス間に新設する計画が浮上している。施設所有者であるさいたま市側も「事故を機にファンが見学できなくなるようなことになるのは避けたい。今後の事故防止策を含めてクラブ側と検討していきたい」と話した。

 浦和側は事故現場の門扉を既に封鎖し、付近への立ち入りを禁止した。用具などの搬入、搬出作業時にのみ使用し、その際も警備員を配置して安全確認を徹底する予定だ。