コンサドーレ札幌の石崎信弘監督(51)が、5日の栃木戦でクラブタイ記録を狙う。2日のアウェー福岡戦は0-0と5連勝は逃したものの、6戦負けなしと好調。5日の舞台の札幌ドームでは4月19日のC大阪戦、同29日の愛媛戦と連勝を飾っている。過去札幌の指揮官で同ドームで3連勝しているのは、07年の三浦監督だけ。01年の開業以来2人目となる記録に、石さんが初のホーム完封勝利で並びにいく。

 石崎監督が、本拠地札幌ドームに新たな足跡を残す。3日の札幌・宮の沢での練習後、「そりゃ、ホームでは勝ち続けるのは大きいよ。お客さんもたくさんきてくれるしね」と5日の栃木戦での勝利に向けた。昨年から8試合続いていた同ドーム連敗記録は、4月12日の富山戦で止めた。以降同ドームでは2連勝。本拠地の負の歴史は、今や変わりつつある。

 伸び悩む観客動員も、ドーム3連勝で一気に巻き返す。「札幌ドームは大きいから観客が少ないと目立つよね」と石崎監督は言う。観客が2万人を超えたのは開幕仙台戦だけ。ゴールデンウイークのまっただ中、サポーターの注目を浴びるには、勝利が最も有効な手段なのは分かっている。J2で戦った07年に三浦監督が1度だけ記録している札幌ドーム3連勝。石さんも“タイ記録樹立”を視野に入れていく。

 並びたくない記録に並ぶわけにはいかない。今季ホームでは開幕から5試合連続で失点している。ホーム初陣から5戦以上連続で失点したのは、クラブ史上では石崎監督以外、JFL時代の96年に6試合連続失点した高橋監督しかいない。こちらはタイ記録としないために、石崎監督は「なんとか完封したいね」と本拠地初完封を見据えた。

 2日の福岡戦では、MFダニルソンを一発退場で欠きながら、10人で無失点で切り抜けた。「人数が少なくなると、守ろうという意識が高まる。本来なら(数的有利だった)愛媛戦は無失点に抑えられた試合。できないのは集中力の問題」。そう指摘したように、選手に完封できる能力が十分にあると指揮官は信じている。全員が100%の集中力を保ち続けることができれば、おのずと結果は出るはずだ。

 【永野高輔】