<J1:大宮3-0大分>◇第10節◇5日◇NACK5

 大分が泥沼の7連敗を喫した。アウェー大宮戦は、前節から先発を4人入れ替えた新布陣で臨んだ。しかし、持ち前の堅守が破綻。前半33分で3失点を喫し、さらに同43分にDF上本大海(27)が1発退場となり、勝負は決した。苦境が続くが、フロントはケガ人続出の現状を考慮し、シャムスカ体制を支持する考えを示した。

 最下位の大分は、アウェー大宮戦で惨敗し連敗は7に伸びた。泥沼にはまりこんだ状態だが、フロントはケガ人続出の現状を考慮しシャムスカ監督(43)の手腕を信頼し、支持していく方針を示した。

 目を覆いたくなるような試合展開だった。前日にFWウェズレイも全治1カ月の診断結果が発表されたばかり。満身創いのチーム状態そのままだった。前節のG大阪戦から先発4人を入れ替えた新布陣で臨んだ。しかし、持ち味だったはずの堅守が崩壊。前半33分で3発をたたきこまれ、早くも勝負は決してしまった。昨季はリーグ最少失点で「カメナチオ」と称賛された固いはずの守備が、2試合連続3失点では勝てない。

 ただ、まだ「シャムスカ・マジック」への期待は失われていない。強化担当の原靖取締役(42)は「(シャムスカ監督は)出口を目指し工夫してくれている。成績がこれだけ悪いと世の中が黙っていないと思うが、実績を残している監督。もう1歩踏ん張って欲しい」と話す。フロントは、主力4人などケガ人が相次ぎ、ベストメンバーが組めない中、控え選手を含めた選手起用や変化の見られなかった采配(さいはい)の改善が、ここ数試合で見られたことを評価。しばらくは見守る構えだ。

 シャムスカ監督も立て直しのプランを練っている。2月の米国・パンパシフィック選手権出場でフィジカル面の準備が整わずシーズンインしたことを反省。リーグ戦が一時中断する13~14節の間に再調整し、反撃するつもりだ。戦列を離れている主力4人も6月に復帰予定で「パンパシフィック選手権があり、シーズン前からフィジカルが作れなかった。連戦に影響している。これを立て直せれば本来の自分たちに戻れる」と再起に自信を見せた。【菊川光一】