未完のドリブラーを、J1定着のキーマンに育てる!

 前日20日のナビスコ杯清水戦で、プロ初先発&初ゴールのJ1山形MF広瀬智靖(19)が「英才教育」を施されることになった。各クラブから若手の有望株が集まり、24日から静岡県内で行われる8人制サッカー「U-20ジャパンズエイト」に参加する。23日には京都戦をこなす過密日程にも「刺激になるはず」(小林監督)と、成長を加速させる。

 12年ロンドン五輪を目指すライバルが集結する場への参加に、広瀬は胸の高鳴りを隠せなかった。「自分がその年代の、どのくらいのレベルにいるのか、確かめてきたい」。昨年8月以来、世代別の代表から遠ざかっている。プロ初ゴールの自信を胸に、存分にアピールしてくるつもりだ。

 成長著しい若手に小林監督は、さらなる成長促進剤を用意した。「いろんなところに行かせて、刺激を受けるのがいい時だと思う」と広瀬の大化けに期待。24日にはサテライト新潟戦もあるが、より刺激の強い空間に送り込む決断をした。6月20日のリーグ再開までに、主力を脅かす存在になることはもちろん、残留のキーマンに育て上げる狙いもある。

 日本協会がロンドン五輪世代の強化目的に始める今回の8人制サッカー。広瀬は「いい刺激を受けてきたい」と送り出してくれる指揮官に感謝した。先発出場の可能性もある23日の京都戦、翌24日から2日間の日程で行われる「ジャパンズ―」の後には、30日にナビスコ杯千葉戦と、過密日程になる。だが「自分はたくさん動いた方が、キレがでる」と歓迎した。入団時より8キロ増した体のサイズだけでなく、存在価値もさらに高めるべく、旬の成長期を逃さない。【山崎安昭】