<J1:鹿島1-0磐田>◇第14節◇20日◇カシマ

 磐田は、鹿島にアウェーで0-1で敗れた。韓国代表イ・グノの放出が発表された翌日のゲームで意地を見せられず、リーグでの対鹿島戦13戦連続白星なしとなった。

 勝負は後半18分からだった。1点を追う場面で、FWカレンとMF松浦を投入。後半25分、こぼれ球を拾った松浦が右クロスをあげたが、中央のFW前田、カレンに合わせられなかった。残り10分を切ると8人で、同40分をまわると9人で守る鹿島の徹底した守備をこじ開けられなかった。戦前から終盤勝負を明言していた柳下監督は「鹿島の得点を奪ったら守りに入る戦法にはまってしまった」と悔しがった。

 意地を見せたかった。前日19日に、韓国代表イ・グノがフランスリーグ1部パリSGへ移籍すると発表。不在時の準備は進めてきたが、選手からは「これで勝てなかったら、また(メディアに)たたかれてしまう。必ず勝ちたい」との声も出ていた。完封での敗北に終わり、GK川口は「(イ)グノがいたら点を取れていた保証はない。ただ、意地を見せられなかったことは残念」と肩を落とした。

 チームはこれで対鹿島戦、03年以降13戦連続白星なし。開幕5戦で白星がなかったが、イの加入以降5勝1分け2敗で勝ち点を積み重ねた。イ不在の影響を聞かれた指揮官は「もともといなかった。シーズン初めからやっていることを続けていくだけ」。勝利したとき、助っ人の力だけではなかったことが証明される。【栗田成芳】