J2仙台MF梁勇基(27)が、相性のいい生まれ故郷の大阪で、チームを首位に浮上させる。5日のアウェーC大阪戦(長居)は、梁にとって好条件の一戦。C大阪と過去に8回の対戦歴があり、ホームでは4試合1得点だが、アウェーでは4戦で2得点3アシストと好成績。得意とする地元で両親や友人が見守る中、凱旋(がいせん)弾を狙う。

 プロ入り後、梁の地元・大阪での試合は、いずれもC大阪戦。07年3月11日の「故郷初陣」で1得点1アシストしたのを皮切りに、アウェー4試合で計2得点3アシスト。ホームの4試合1得点を上回るデータに「みんなの前で、いいとこを見せたい気持ちになるんでしょうね」と梁。長居も、阪南大時代に試合を重ねた会場で「いい思い出も悪い思い出もある懐かしい場所」。当然、ホーム戦でも全力だが、慣れ親しんだ故郷は自然と力が出る。

 5日の試合には両親や大学時代の友人が応援に駆けつける。梁は「とりあえず頼まれたチケット25枚を用意しました」と話したが、大阪朝鮮高時代の金正海監督ら「当日になって来るかもしれない」という恩師や関係者を含め、数十人のプチ応援団が結成される。

 仲間の前で奮起し、首位C大阪にリベンジする。第1クールは1-2で逆転負け。自身の今季初ゴールも空砲に終わり、勝ち点9差に離された。3差に縮めて迎える一戦に「今まで大阪では首位に絡む試合はしてない。チームが勝つことを最優先に戦いたい」と梁。C大阪を直接たたき、湘南が引き分け以下に終われば首位に立つ。勝って、試合後に再会する関係者のもとへ笑顔で向かうつもりだ。【木下淳】