<J1:東京2-0神戸>◇第16節◇4日◇ホムスタ

 東京のMF石川直宏(28)は神戸戦で4試合連続のゴールを決め、通算9得点で得点ランクのトップに並んだ。

 振り抜いた左足に迷いはなかった。東京MF石川は後半5分、MF羽生の横パスを受けると、わざと大きくトラップ。囲まれた相手DFの間をすり抜け、左足ボレーで決勝点を決めた。「トラップ、シュート弾道も狙い通り」。チーム記録となるアマラオの5戦連発に、あと1つに迫る4戦連発で、J得点ランクトップに並ぶ9得点目。東京に今季初の3連勝をもたらしたアテネ五輪世代のアタッカーは「シュート数(7本)を見たら、もっと決めないといけない」と、反省も忘れなかった。

 神戸戦までの1週間、石川はトラップからシュートを放つプレーを磨いた。この日の一発も「練習の形だなと思って打った」と振り返る。過去の年間得点数は03年、06年に挙げた5得点が最高。自己記録を更新するゴール量産に、平山も「流れが良くなくても点を取ってくれる。助かります。ナオ(石川)さんは今、神様です」と舌を巻いた。

 昨季までは好調になると故障するイメージが強かったが、今季の故障欠場は2戦しかない。右太もも肉離れで欠場した5月16日の横浜戦は、実は原因不明の片頭痛にも見舞われた。一日中、寝込むほどの重い症状だったが、翌日には練習を再開した。リーグ再開後の6月20日の柏戦以降は愛用するアディダス社製スパイクもメッシや中村俊と同型に変更。「これで活躍しないとまずいですよね」と、自らに重圧をかけてもゴールを量産できる精神的強さもある。日本代表スタッフも注目する石川の勢いは、このまま続きそうな気配だ。【藤中栄二】