王座奪回を狙う浦和が、守備の大黒柱に続いて、司令塔までも欠くピンチに陥った。0-3で惨敗した名古屋戦から一夜明けた26日、MFポンテ(32)が右足首痛の再発で、長期離脱する可能性が出てきた。同試合の後半28分に痛めて交代したが、この日、さいたま市内でのチーム練習に参加せず治療に専念。ポンテは「痛みを感じながらやっていた」と表情を曇らせた。

 患部は5月8日の練習中に痛めた古傷で、6月27日の神戸戦で戦列復帰するまで約1カ月半もかかった。フィンケ監督も「(名古屋戦で)まともに歩けない状態だった」と話しており、前回の故障と同期間の長期離脱となる可能性もある。

 チームにとっては、弱り目にたたり目だ。前々節で14連敗中と泥沼だった大分にまさかの完封負け。前節名古屋戦でも攻撃面で連動を欠き、ホームで0-3の屈辱的な敗北を喫して今季初の2連敗。腹直筋損傷で離脱中のDF闘莉王の復帰も未定だ。ポンテと同様に、ゲームメーカー役を期待されるMF山田直も腰痛を抱え、名古屋戦で実戦復帰したが「体のキレはまだ」と万全の状態ではない。

 首位鹿島との勝ち点差は今季最大タイの10。29日にはナビスコ杯準々決勝・清水戦も控える。信藤健仁チームダイレクター(TD)は「勝ち点3を取るためだけの特別な戦い方はしない。パスサッカーの精度を高めたい」と長期的な視点で現状を打開する構えだ。