<J1:大宮1-1磐田>◇第21節◇16日◇熊谷陸

 J1清水と磐田がともに引き分けた。磐田は大宮と1-1で引き分け、白星先行を逃した。前半25分にMF西紀寛(29)の得点で先制も、後半12分に追いつかれそのままドロー。8勝8敗の星勘定五分で臨み、勝ち越しとはならなかった。

 DF那須は迷わず左足を振り切った。1-0で迎えた後半12分、相手のクロスをクリアしようとしたボールは、わずかに足をかすめ、後方のゴールマウスに吸い込まれた。1テンポ外れたボールに、タイミングをずらされたGK川口も「トライしてのオウンゴール。しょうがない。でも、1ステップできれば触れたかもしれない」と、悔しそうに話した。

 またしても貯金生活を逃した。前節千葉戦(1日、3○2)で勝利を収め、今季成績8勝4分け8敗とした。一時は3あった借金を完済し、今季4度目の勝率5割。勝てば今季初めての貯金生活だったが、不運な失点で勝ち星を取りこぼした。前半25分に、今季3得点目となる先制弾を決めたMF西は「大宮の方が動いていた。こっちは点決めても3-2で勝つチーム。3点は必要。1点で勝つのは難しい」と、自虐的に話した。

 王手をかけている通算300勝も、次節川崎F戦(19日)以降にお預けとなった。柳下監督は「今日はやっている人が、1つの絵にできて(描けて)いなかった。でも、勝ち点1を取れたことをよしとして、中2日で川崎F戦に向けてやっていく」。その絵が完成したとき、磐田に新たな歴史が刻まれる。【栗田成芳】