コンサドーレ札幌のDF石川直樹(24)が、あきらめムード漂うチームに喝を食らわした。出場停止明けの次節20日福岡戦で戦列復帰するが、「仲良しグループ」となりかけている雰囲気に18日、異議を唱えた。

 巻き返しへの起爆剤として、選手同士の言い合いを歓迎。意見を素直に出し合って課題を修正していくことこそが、昇格戦線に食らいつくには不可欠と強調した。「(上位に)離されたという動揺が表れているかもしれない。試合はまだ続く。1人1人が早く気持ちを整理してサポーターに勝利を見せなくてはいけない」。前節甲府戦に敗れ昇格の可能性は極めて厳しくなったが、ここからが踏ん張りどころだ。

 途中加入だからこそ見えるものがある。「札幌の選手は試合中にしゃべる人が少ない。いいところはいい、直した方が良いと思ったら互いに言い合うことからやっていかないと」。7月に柏から移籍した際、石川が最もアピールしたのが「声」だった。問題があればけんかするまで言い合ってきた古巣とのギャップ。札幌を再浮上させるため、自分ができることを最大限チームに注入したいという思いから出た言葉だった。

 この日の紅白戦後には、宮沢、藤田、上里ら攻撃のキーマンと5分間話し合った。藤田も「個人として考えることは言い合わないと。けんかするぐらいの気持ちがあってもいい」と言う。残り12試合で昇格圏とは勝ち点17差。最後まで気持ちをぶつけあって戦い抜く覚悟だ。【永野高輔】