<高校サッカー選手権北海道地区予選:室蘭大谷2-1札幌一>◇4日目◇24日◇札幌厚別公園競技場◇準決勝

 室蘭大谷が王座奪還へ王手をかけた。札幌一に先制を許すも、前半終了間際に追い付き、後半9分、MF西口清志主将(3年)が勝ち越しゴールを奪い勝利。2年ぶりの決勝進出を決めた。3連覇を狙った昨年は初戦で敗退。他の大会でも全国舞台は踏めなかった。出直しを誓い例年以上の道外遠征をこなした今年、2年ぶりの優勝で復活を示す。旭川実は北海をPK戦で下し、2年連続の決勝進出を決めた。決勝は25日正午から、札幌厚別公園競技場で行われる。

 繰り返してきた練習の成果が、2年ぶりの札幌厚別で室蘭大谷の決勝点となった。後半9分、右サイドを上がってきたMF坂本完慈(3年)の目には、中央にいる仲間の姿がはっきり見えていた。「西口の前にスペースがあったので。そこを狙った」。グラウンダーのパスを受けた西口主将がフリーで右足を振り抜くと、ボールはゴールに吸い込まれた。

 及川真行監督(35)は「ただクロスをゴール前に放り込むだけでなく、横パスを意識してやってきたので」と教え通りの決勝点に納得の表情をみせた。中に3人を置き、外の選手がさまざまなアイデアで折り返す。時間を割いてきたプレーが形となり、2年ぶりの決勝進出につながった。

 現札幌FW宮沢裕樹を擁した07年は高校総体に続き、今大会でも全国切符を勝ち取った。西口、坂本ら全国経験者が残った昨年は大きな期待を持ってのスタートも、全国大会に進むことはなかった。1年時に宮沢と2トップを組んでいたFW天満建太朗(3年)は「経験はあったが、他のチームも強くなっていた」と振り返る。大会時にケガ人が出るなどもあり、北海道から抜け出せなかった。

 復活へ出直しを図った。例年、夏は新潟遠征が常だったが、今年は完全休日を3日にし、新潟から帰道後、秋田にも出向いた。今大会前にも例年にはない岩手・盛岡遠征を敢行した。「3年間で一番遠征は多かった。ただもう選手権しかないんだから」。西口主将が言うように、やれることはやってきた。

 練習量だけでない。上下関係なく、グラウンド外でも皆が行動をともにした。「僕たちがやるのはパスサッカー。つなぐにはみんなが仲良くしてつながっていないと」と西口主将。言いたいことを言い合える信頼関係が築かれていき、チームがまとまっていった。

 2年ぶり決勝の相手旭川実には今年2戦2敗。及川監督は「選手も燃えていると思う」と三度目の正直に期待した。新チーム発足時に掲げた「王座奪還」の目標達成へ、全力を尽くす。【砂田秀人】