ナビスコ杯決勝は3日、東京・国立競技場で行われる。初優勝を目指す川崎FのFW鄭大世(25)は、2年前の決勝敗退の反省を生かし「平常心」でゴールを狙う姿勢を示した。

 念願の初タイトルは「平常心」で奪い取る。紅白戦とシュート練習で汗を流したFW鄭は「気負いはない。いつも通りの気持ちでやるだけ」と淡々と話した。平山を中心にした攻撃力を誇る東京についても「気は抜けないですが、こちらがやるべきことをするだけ」と冷静に語った。チーム内の雰囲気も「表現の仕方はみんなそれぞれですが、いつも通りにいこうという気持ちは共通しています」という。

 高ぶる気持ちをあえて抑えるかのような落ち着きには理由がある。チームは2年前、ナビスコ杯決勝でG大阪に0-1と惜敗した。直前のリーグ戦では東京を相手に7-0の圧勝。試合2日前には選手をはじめ、スタッフ、後援会関係者ら総出の決起集会を開き、気持ちを盛り上げた。しかし決勝では勢いを生かしきれずに涙をのんだ。鄭も「あの悔しさは今も忘れていない」という。今年も直前の広島戦は7-0の大勝で、鄭も1得点の活躍。辛酸の記憶を封印する意味で、今の川崎には「平常心」がもっとも必要だった。

 鄭は紅白戦でもこぼれ球にうまく合わせたボレーシュートを決めるなど調整も順調の様子。「最近のパフォーマンスをそのまま出せば道筋が見えてくる」。自分に言い聞かせるようにして練習場を後にした。【松田秀彦】