コンサドーレ札幌の来季に暗雲が立ちこめた。昨季から2年にわたり、ユニホームの胸スポンサーに就いていた「ニトリ」が、来季のスポンサー契約を結ばないことが、7日までに決まった。初年度3億円、今季は2億円を支援していた同社だが、2年間での撤退を決めた。今季は1年でのJ1復帰を逃し、来季は強化費を今年より約2億円減額し、4億円台で臨む方針を固めていた。そんな中、大口スポンサーを失い、チームづくりは白紙に戻さざるを得なくなった。

 矢萩竹美社長(59)が沈痛な面持ちで口を開いた。ニトリの撤退による、来季強化費への影響に「あると思います」と言った。J1復帰を果たせなかった今季成績から、来季は今季より約2億円減の4億5000万円程度を強化費のメドにしていたが、見直しを余儀なくされた。

 5日に同社長がニトリの似鳥社長と会談した際、総合的に判断した末、来季契約は結ばない旨を伝えられた。「100%想定していなかったわけではないが、(ニトリを)前提に立てていた部分はある」と同社長が話すように、強化費を含めた来季の収入の構想は崩れた。緊急事態に同社長は「来週月曜以降に善後策を詰めて、影響が最小限にとどまるようにしたい」。過去胸スポンサーを務めた石屋製菓など他のスポンサーへの働きかけで、大きな穴を埋めにいくことを強調した。

 J1復帰を目指した03年に目標達成はならず、8億円を超えていた強化費を翌04年に3億2000万円まで減らしたことがある。今季より2億円減で臨む来季でもギリギリのラインではあったが、さらなる減額の可能性は高くなった。04年まではいかなくとも、3億円台に突入することも十分にあり得る。

 選手に対してはこの日の練習前、三上強化部長が説明。矢萩社長の「クラブとして影響が出ないようにやっていく」という言葉を伝えた。しかし今月中に選手に対しては来季契約の有無を示さなければならない規定があり、時間は多くない。同社長は「1度立てた編成方針を変えながらいかにやっていくか。来週いっぱいにはスポンサーの状況を把握し、編成方針を決めたい」と見通しを口にした。石崎監督続投の方針は現時点では変わらないが、今後の進ちょく状況次第では、ぶれが生じる可能性もある。チームづくりはゼロから再考する必要性に立たされた。