負傷離脱中のJ2仙台FW平瀬智行(32)が、復帰戦の照準を22日のホームC大阪戦(ユアスタ)に定めた。11日の練習から全力疾走をスタート。10月21日の草津戦で左ひざ内側側副靱帯(じんたい)を損傷し全治3週間と診断されたが「来週から合流するよ」と見通しを語った。昇格が決まった8日の水戸戦には間に合わなかったが、J2優勝を争う大一番でカムバックする。

 順調なリハビリを物語るように、平瀬の表情は明るかった。雨中で全力疾走を繰り返し「真っすぐ走るのは問題ない。痛みは残ってるけど、ボールも強く蹴れるようになってきたし、やりながら治していく」と回復のめどが立った。患部に癒着があり、全治は見込みの3週間より遅れたが「C大阪戦、出る気まんまんだから」と自信を見せた。

 今季は開幕からFWの中軸を担ったが、10月21日の草津戦で負傷。昇格が決まった8日の水戸戦はピッチに立てなかった。当日、自家用車で水戸入りして応援し「ウルウルきたけど、J2で優勝した時に泣きたかった。こらえたよ」と平瀬。手倉森監督から「来週には戻って来るんだろ?」とハッパを掛けられると「もちろん」と応じた。優勝の瞬間こそ、ピッチ上で男泣きするつもりだ。

 リハビリは松田トレーナーとマンツーマンで行っている。04年から5年間、セコムのラグビー部に所属した松田トレーナーの指導を受け、平瀬は「知識が豊富でホント助かる。今年、けが人が少なかったのはトレーナーのおかげ。昇格の縁の下の力持ちだよ」と感謝と手応えを口にした。

 J2優勝をかけたリーグ戦は残り3試合。鹿島時代に数々のタイトルを獲得した平瀬は「ここまで来たら気持ち。みんな浮かれずに切り替えてるし、早くオレも加わりたい」と復帰に意欲を見せた。【木下淳】