<全国高校サッカー静岡県大会決勝トーナメント:藤枝明誠2-1常葉学園橘>◇28日◇準決勝◇藤枝総合運動公園サッカー場

 全国切符をかけた最終決戦のカードは清水商対藤枝明誠に決まった。高円宮杯全日本ユース8強の藤枝明誠が常葉学園橘に2-1で競り勝ち、2年ぶり決勝進出を決めた。県選手権決勝では初顔合わせの一戦は12月6日午後0時30分から袋井・エコパスタジアムで行われる。

 決めるべき男がいきなり輝きを放った。試合開始2分。右クロスを相手DFがクリア。そのボールをエースのFW安東大介(3年)が、ワントラップして迷わず右足を振り抜いた。強烈ではなかったが、相手GKの脇の下を抜いて先制。負傷している右足から、この日最初のシュートで一気に流れを引き寄せた。安東は「打った瞬間まずいと思ったけれど、入っちゃいました。思い切り打ったのがよかったです」と控えめに笑った。

 同24分には左CKからの折り返しを、MF小川哲生主将(3年)が頭で合わせて2点目。小川は「素直にうれしい。ひそかに狙ってました」。公式戦約9カ月ぶりのゴールに満面の笑みを浮かべた。後半に失点を許すと、その後も相手の猛攻を受けたが、U-17日本代表候補のDF藤原賢土(3年)を中心にしぶとくはね返した。田村和彦監督(48)は「集中を切らさずに辛抱した。相手より全国出場への気持ちが上回っていた」とイレブンをたたえた。

 因縁の相手と大一番を迎える。清水商とは昨年の県大会2次リーグ最終戦、今季は、新人戦と県総体の準決勝で敗れている相手。7月の東海プリンス1部リーグは、4-2で勝利を収めたが「風間兄弟」は不在だった。この試合で2得点を決めた安東は「本当の意味でリベンジしたい。絶対に全国に行きます」と力強く言い切った。2年ぶりの決勝という最高の舞台で、最高の相手にリベンジを果たす。【神谷亮磨】