J2札幌の石崎信弘監督(51)が1日、DF藤山竜仁(36)加入によるメンタル改革を期待した。29日に新戦力第1号として藤山の獲得が決定。藤山は人間性やまじめな練習態度に定評があり、若手選手には貴重な手本となる存在だ。指揮官自ら精神面でのけん引役に指名し、「プロ意識向上委員長」としての奮闘を望んだ。

 石崎監督が藤山加入によるピッチ内外での相乗効果を期待した。「しっかりした経験を持った選手。プレー以外でも若いチームを引っ張ってくれれば」。サイドバックとしての経験に加え、36歳まで一線で戦ってきた体調管理の極意など、あらゆる面で若手の教育係に据える構えだ。

 大分監督時代の99年、最終戦で引き分け勝ち点1差で3位に落ちてJ1昇格を逃した。そのとき苦汁をなめさせられたのが藤山がサイドバックをつとめていた東京だった。同年9月25日の直接対決では藤山(J通算2得点)の初ゴールなどで2-4と敗戦。煮え湯を飲まされた選手でもあるだけに、同じクラブとなれば「J1に上がる苦労も知っている」と心強い存在だ。

 18歳のMF古田も「プレーだけでなく曽田さんのようにプロとしてのあり方なども学べれば」と“入塾”志願。札幌が若手とベテランの融合で新たな化学反応を生み出す。【永野高輔】