来季、J2に降格する大分が、倒産がけっぷちの苦境に追い込まれた。Jリーグから2億5000万円の融資「凍結」の理事会決定を受けて15日、クラブ内で対応に追われたが大混乱。溝畑宏社長(49)の引責辞任で代行を務めている青野浩志経営企画部長(53)は「融資を受けられない場合の代替案も、借り入れ先もない状態。融資がなければ会社はアウト」と厳しい表情で語った。

 24日までに約2億円を準備し、借金返済と選手やスタッフの人件費、契約業者への支払いをしなければならないという。しかし、思いもしない「凍結」の決定。Jリーグの公式試合安定基金からすでに3億5000万円の融資を受けているが、追加融資が承認されなかったのは新社長がいまだ不在、再建計画の中身が甘い(支出削減不足等)などが理由だった。

 大分を支援する行政、企業、県民による三位一体の組織「大分トリニータを支える県民会議」が13日に設立されたばかりで、この日から大分市による募金活動もスタートした。しかし返済期限まで残り10日を切り2億円もの大金を準備するのは、並大抵ではない。

 リーグ側からは新社長の早急な選出、約11億円で計画中の来年度運営費を9億円程度に減らすことなどを求められた。社長の人選は大分県が仲介する形で進めているが、現時点でめどは全くついていない。青野部長は「もう1度人件費や販売管理費などを詰めたい」と悲壮感を漂わす。再建計画は20日までに再提出。「再建計画の骨子を再調整し、融資を得たい。打開するしかない」と青野部長は必死の姿勢で倒産危機を乗り切る覚悟を示した。